こんにちは、今日は瞬間接着剤についてお話しします。身の回りで壊れたものをすぐにくっつけるのに大活躍する瞬間接着剤。実は、その発見にはちょっとしたストーリーがあります。
最初の発見と驚きの効果
1949年、アメリカのグッドリッチ社が「α-シアノアクリレート」という化合物を作り出しました。これはアクリル酸エステルにCN基をつけたものでした。でも、その当時は特に注目されることはありませんでした。
瞬間接着剤の誕生
1959年9月、イーストマン社はこの「α-シアノアクリレート」にいくつかの添加剤を加えて、ついに一液性万能瞬間接着剤として市販を始めました。この接着剤は、加圧や加熱、特別な硬化剤を使う必要がなく、空気中のわずかな水分だけで瞬時に固まります。数秒から数分で強力に接着し、どんな素材にも使える優れものです。
今や人気商品に
この瞬間接着剤は、今やアメリカでは月に10数トン、日本でも月に4~5トンも使われています。不景気にもかかわらず、需要は毎年30%も伸び続けているんです。
α-シアノアクリレートとは?
まず、α-シアノアクリレートはどんなものかを簡単に説明します。これは、特定のエステル(化学的な構造を持つ物質)にシアノ基というものがついた形をしています。この化合物は、1949年にアメリカのグッドリッチ社によって開発されました。
主な製造方法
α-シアノアクリレートの主な製造方法は、以下のような手順で行われます。
シアノ酢酸エステルの合成
モノクロル酢酸エステルという物質を使って、シアノ酢酸エステルを作ります。このとき、副産物としていくつかの物質ができますが、シアノ酢酸エステルの収率は約60%です。
ホルムアルデヒドとの反応
次に、シアノ酢酸エステルをホルムアルデヒドと反応させます。この反応は、塩基性の触媒(化学反応を促進する物質)を使って行われます。このステップで得られる物質は「ポリα-シアノアクリレート」という樹脂状のものです。
熱解重合
最後に、このポリα-シアノアクリレートを減圧下で加熱し、熱解重合させることで、α-シアノアクリレートのモノマー(単位分子)を得ます。この反応では、再重合を防ぐためにいくつかの工夫がされています。
他にも、シアノ酢酸エステルの活性メチレン基を利用する方法や、アクリル酸メチルから作る方法など、いくつかの製法が提案されています。しかし、これらの方法はコストや工程上の問題があり、工業化されていないものもあります。
まとめ
このようにして作られるα-シアノアクリレートは、瞬間接着剤の主成分として使われています。その優れた接着力から、医療、産業、そしてまつげエクステなど、さまざまな分野で利用されています。私たちの生活に欠かせない瞬間接着剤、その背後にはこんな化学の力があるのです。
